コラム
COLUMN
テレビ用同軸ケーブル(アンテナケーブル)の種類と仕組みを解説!
2023.07.26
テレビの知識
テレビやHDDレコーダーなどを接続する際に使用される同軸ケーブル・アンテナケーブルは、一般的に単に『アンテナケーブル』と呼ばれていますが、実は複数の種類が存在します。
これにより、自分で接続したいと考えた際に、どのケーブルを選べばよいのか戸惑うことがあるかもしれません。
そこで今回は、アンテナケーブルの基本的な知識について詳しく、わかりやすく解説させていただきます。
こちらの記事を参考にしていただき、さまざまなアンテナケーブルの種類と仕組みを理解して、より快適なテレビ視聴や録画環境などを手に入れましょう!
【同軸ケーブル(アンテナケーブル)とは?】
『テレビ視聴に不可欠なパーツ』
同軸ケーブル(アンテナケーブル)は、テレビアンテナから受信した電波を伝送する重要な経路です。
テレビアンテナが設置されていても、同軸ケーブルによる接続がなければ、部屋までテレビの電波は届きません。要するに、快適なテレビ視聴には欠かせない不可欠なパーツなのです。
一般的な同軸ケーブルは4層構造を持ち、中心には銅線が配置されています。中心の銅線はプラス信号を伝え、外側に行くにつれてプラスチックの絶縁体、網状のコード、再びプラスチックの絶縁体という形になっています。網状のコードはマイナス信号を伝送する役割を果たすと同時に、外部からのノイズを遮断する重要な役割も担っています。
同軸ケーブルは電波の伝送を効率的に行うことができます。
これにより、外部からの電波やノイズの影響を最小限に抑え、アンテナで受信した高品質の電波を安定してテレビまで届けることが可能なのです。
【3C、4C、5Cとは何か?】ケーブルの太さについて解説
テレビ用同軸ケーブル(アンテナケーブル)を選ぶ際の目安として、その太さが重要な指標となります。
テレビ用アンテナケーブルは「3C」「4C」「5C」といった表記で区別されており、数字が大きいほど太く、小さいほど細くなっています。
ここでの「C」とは、テレビ用の特性インピーダンスである75Ωを表しています。また、「S-3C」といった表記の場合、「S」が付くものはBS/CS放送に対応しており、付かないものは非対応となります。
家庭用として一般的に販売されているのは「3C」から「5C」までですが、「10C」以上のものも存在します。
以下は各タイプの太さの基準となる直径ですので、参考にしてください。
- 3C…直径約5.4ミリ
- 4C…直径約6ミリ
- 5C…直径約7.7ミリ
ケーブルの太さによって、それぞれ異なる特徴がありますので、以下で解説します。
・BS/CS放送について詳しくはこちら
BSとCSの違い!BS、CS環境を作る上で必要な設備や注意点を解説
【細い同軸ケーブルの特徴(3C・4Cなど)】
- 素人でも取り扱いやすい柔軟性がある
- 細かな配線に向いている
- 断線しやすい傾向がある
- 電波が弱くなりやすい傾向がある
細いケーブルほど電波の減衰が大きくなりますので、受信レベルが低く画質に影響が出る場合などは、ケーブルの太さを変えることで改善される場合があります。
・受信レベルについて詳しくはこちら
アンテナレベルとは?テレビの映りが悪いときの対処法
【太い同軸ケーブルの特徴(5C~)】
- 太いため、細かな配線が難しい場合がある
- 断線しにくく、耐久性が高い
- 電波が弱くなりにくい特性がある
【アンテナケーブルの適切な長さは?】性能と用途に応じた選び方
アンテナケーブルを選ぶ際には、必要な長さを把握することが重要です。
同軸ケーブルは長くなるほど電波の強度が低下し、細いケーブルほどさらに電波が弱くなりやすい性質を持っているからです。
たとえば、3Cは3メートル以下の短い区間配線向けとされていますが、それ以上の長さになると電波が弱くなり、テレビの受信状況が悪くなる可能性があります。
以下に、ケーブルの太さと適した長さ、さらに最適な用途をまとめてみました。
- 3C…3メートル以下(テレビ周辺の短い区間配線向け)
- 4C…5メートルから10メートル以下(室内でのメイン配線向け)
- 5C…10メートル以上(屋外の配線向け)
一般的な6畳の部屋の広さは周囲が約12メートル程度ですので、テレビをアンテナ端子から一番遠い位置に置く場合は、8〜10メートルの長さが必要になることが考えられます。この場合、一般家庭用としては、4Cの太さのものが最適とされています。
これらのポイントを覚えておくと、適切なアンテナケーブルを選ぶ際に役立ちます。
【ケーブルのプラグの種類を解説】接続に適したプラグの選び方
アンテナケーブルをテレビやアンテナ端子に接続するには、適切なプラグが必要です。
プラグには複数の種類があり、対応していないプラグを使用すると接続ができない場合があります。
アンテナケーブルを購入する際、プラグが付いている商品と付いていない商品があります。プラグが付いているものを選ぶ場合は、接続に適したプラグ型か事前に確認しましょう。
一方、プラグが付いていないものを選ぶ場合は、別途プラグを購入する必要があります。その際も、適切なプラグ型をしっかりと確認してから購入しましょう。
以下は代表的なプラグの種類についての解説です。
・アンテナ端子について詳しくはこちら
アンテナ端子の種類とは?それぞれの特徴を解説
【ストレートプラグ】
テレビ用のアンテナケーブルとして最もよく使われるのがストレートプラグです。
端子に差し込むだけで簡単に接続できます。汎用性が高く、ほとんどのアンテナ端子と互換性があります。
【L型プラグ】
L型プラグは、プラグの先がL字形になっている特徴があります。
ケーブルが壁やテレビに沿うように接続されるため、配線をスッキリさせたい場合や狭い空間に適しています。
ただし、アンテナ端子の位置や周囲の状態によっては接続が難しい場合もあるため、事前に確認が必要です。
【F型プラグ】
F型プラグはねじ込み型の特徴を持ちます。
ねじ込むことで、ネジでしっかりと固定され、引っ張っても抜けにくくなります。
頻繁にケーブルの抜き差しを行う家庭には向いていませんが、小さなお子さんがいる家庭では感電防止の為などで採用されることもあります。
【複合型プラグ】
先端の一方がF型またはストレートで、もう一方がL型などのタイプ。壁と機器などでつなげ方を変えたい場合などに便利です。
【4K8K放送】対応したアンテナケーブルが必要
4K8K放送を楽しむためには、4K8K対応のアンテナケーブルが必要です。
従来の放送と4K8K放送では、使用する電波の種類と周波数帯が異なるため、アンテナケーブルを交換する必要があります。
以下で、詳しい電波の違いと、対応したケーブルの選び方を解説いたします。
・4K8K放送について詳しくはこちら
いよいよ4K8K時代に突入!アンテナ工事をしなくても観ることはできるの?
【電波の違い】
①『放送電波の違い』:
従来のBS/CS放送と新4K8K放送は、電波の回転方向が異なります。
BS放送は右旋の電波を使用し、新4K8K放送は左旋の電波を使用します。これにより電波の混信を防ぐ仕組みになっています。
②『周波数帯の違い』:
また、従来のBS/CS放送と新4K8K放送では使用する周波数帯が異なります。
BS/CS放送は1032MHz〜2071MHzを使用し、新4K8K放送は2224MHz~3224MHzを使用します。
従来のアンテナケーブルは右旋の周波数帯までしか対応していないため、4K8K放送(左旋)の周波数帯まで対応したケーブルへの交換が必要です。
【4K8K対応アンテナケーブルの見分け方】
アンテナケーブルを選ぶ際、4K8K放送に対応しているかどうかを確認する一般的な方法を解説いたします。
ケーブルの商品情報をよく確認してから購入しましょう。
①『「新4K8K」と表示されているもの』:
ほとんどの場合、4K対応アンテナケーブルのパッケージには「新4K8K」と表示されています。
表示がない場合でも、商品説明に左旋の周波数帯である「~3224MHz」と書かれていれば、4Kに対応したケーブルです。
②『型式が「S」から始まるもの』:
BS/CS放送に対応しているケーブルは、型番の最初のアルファベットが「S」で始まるものです。型番が「S」以外で始まっているケーブルは非対応のため、注意してください。
4K8K放送を楽しむためには、適切なアンテナケーブルを選んで正しく接続しましょう。
まとめ
今回は、同軸ケーブル(アンテナケーブル)について基本的な要素を解説させていただきました。
アンテナケーブルは量販店やインターネットショッピングで手軽に購入できますが、用途やアンテナ端子に合わせた適切なものを選ぶ必要があります。
アンテナケーブルについての説明は少し難しく感じることもあるかもしれませんが、分からない場合やケーブルの配線が難しい場合は、アンテナ工事専門業者に相談してみると良いでしょう。
専門業者は適切なケーブルの提案やアンテナの種類について詳しく説明してくれますので、適切なアンテナケーブルを選ぶ手助けをしてくれます。
ご自身で選ぶのが難しい場合は、ぜひアンテナ工事の専門家に相談して、最適なアンテナケーブルを手に入れてください。
さくらアンテナでは【無料お見積り・現場調査(電波測定)】を行い、お客様のお住まいに適切なアンテナ設置をご提案させていただきます。
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