八木式アンテナとは?その特徴やメリット・デメリットを解説!
2021.04.02
アンテナ工事
地上デジタル放送の電波を受信するUHFアンテナ。その代表的なのが八木式アンテナです。
住宅の屋根の上にたくさん並んでいるのを見たことがあるという方も多いと思いますが、なぜ八木式という名前なのか、ご存知でしょうか?
今回は八木式アンテナにスポットをあて、その特徴に加えてメリットとデメリットも解説します。
テレビ以外にも幅広い分野で利用される八木式アンテナ
八木式アンテナは東北大学に所属していた八木秀次氏と宇田新太郎氏の共同研究によって発明されました。
日本では一般的に八木式アンテナと言われますが、英語では「Yagi-Uda Antenna」と表記されるのはそのためです。
八木式という名称が国内で一般的なのは、八木氏が単独で特許を出願したからというのが定説です。
現在は、地上デジタル放送を観るためのUHFアンテナとして普及していますが、アナログテレビ時代はVHFアンテナとしても活躍していました。
テレビ以外にも、アマチュア無線やFMラジオ、AMラジオなど幅広い分野で利用されています。
八木式アンテナの3つの構造
八木式アンテナは魚の骨のような形と言われますが、次の3つで構成されています。
・反射器(リフレクター)
・輻射器(ラジエーター)
・導波器(ディレクター)
分かりやすいように魚の骨の形で言うと、頭の部分のように見えるのが反射器です。
実はこの反射器ではなく、導波器の方向が送信塔に向かっています。
この知識を覚えていると、屋根の上の八木式アンテナを見たときに、導波器が向いている方向に電波塔があることがわかります。
八木式アンテナを設置するメリット
ほとんどの屋根の上に八木式アンテナが取り付けられている理由は、それだけメリットがあるからです。
具体的なメリットは次の2つです。
テレビ電波を受信しやすい
まずはテレビ電波を受信する際、その性能の高さが挙げられます。
素子数を増やすことによって電波をキャッチする能力を高くすることもできるため、テレビ電波が弱い弱電界地域でもテレビ視聴が可能です。中にはブースターを使わなくても、問題なくテレビが視聴できるレベルで受信できることもあります。
八木式アンテナが開発されたのは1924年のことでまもなく100年を迎えます。
現在もこの形が使われているというのは、それ以上の性能ものが開発されていないということでもあります。
つまり八木式アンテナは、それだけアンテナとしての性能が高いのです。
価格を抑えることができる
八木式アンテナの構造はシンプルなものなので、比較的安価で取り付けることができます。
取り付け料を含めても1万5000円から3万円くらいが相場になっています。
もちろん毎月の使用料がかかるわけでもありません。
また、万が一、故障しても修理や交換する場合のコストも低く抑えることができるのもメリットです。
八木式アンテナを設置するデメリット
もちろん、八木式アンテナにはデメリットもあります。
ただし、テレビアンテナはテレビを視聴するために必要なものですから、設置を断念せざるを得ないというほどのデメリットではありません。それでは詳しく見てみましょう。
メンテナンスがしづらい
八木式アンテナ本体についてではありませんが、屋根の上に取り付けるのが一般的なので、素人がメンテナンスをするのは困難です。
ハシゴを使い屋根に上っての作業になりますので、どうしても危険が伴います。
もちろんご自分で取り付ける人もいますが、簡単ではありません。そのためメンテナンスや、ちょっとしたアンテナの調整などは専門業者に依頼することが多くなります。
ただしテレビアンテナは日常的にメンテナンスが必要なものではありません。住宅を新築した際に取り付けたアンテナが、10年以上もメンテナンスすることなく正常に稼働している例も少なくありません。
天候の影響を受けて劣化してしまう
八木式アンテナは屋外の見晴らしの良い場所に設置する必要があるため、天候の影響を受けやすいというのもデメリットのひとつでしょう。
雨に打たれるとサビやすくなりますし、風に吹かれると痛みやすくなります。
ただし各アンテナメーカーでは様々な工夫をしており、素材としてサビに強いステンレスを採用したり、防水や防錆対策を強化し耐食性能を向上させた商品も販売されています。
また紫外線によって劣化が進むこともありますが、紫外線防止コーテイングなどを施している商品ももちろんあります。
一般的にアンテナの寿命は長くなっていると言われているのはこうしたメーカーの努力があるからです。
台風や積雪の被害に遭うことも
こちらも上記で解説した風雨と同じように、天候の影響を受けやすいのが要因になります。
台風の際に強風に煽られる危険がありますし、大雪が降ればその重みでアンテナが折れるということもあります。
その際は落下したアンテナが道を歩く人や駐車している車を傷つけることもあります。
ただし、これも頻繁に起きている訳ではありません。
もしかしたらこういうことがあるかも知れない、という程度の知識で構いません。このような事態を招かないためにも、メンテナンスを心がけるようにしましょう。
鳥害に遭いやすい
電線に鳩などの鳥が止まっているのをよく見ると思いますが、アンテナも実は鳥が止まりやすい形状をしているため、鳥対策が必要です。
そのためアンテナに鳥が止まることで被害を受けることがあります。これは「鳥害(ちょうがい)」と言います。
台風の後でもないのにテレビの映りが悪くなったときなどは、アンテナに鳥が止まったせいで方向がずれてしまったということもあります。
また糞害も鳥害のひとつです。屋根が汚れ、劣化を早めてしまうことにもつながります。
鳥は同じところで羽を休める習性があるので、気づいたら追い払うようにしましょう。
鳥を寄せ付けないために、防鳥ネットなどの鳥よけグッズの活用も検討しましょう。
外観を損ねる
八木式アンテナが屋根の上にあると、住宅の外観を損ねると思われる方もいるようです。
ただ見た目のことですから、個人差があります。
「問題ない」と考える人も多いでしょうから、デメリットと言えるかは個人での判断によります。
まとめ
今回の記事では、八木式アンテナの特徴について紹介しました。
その独特な形状が、テレビアンテナの受信に最も優れていることが理解していただけたのではないでしょうか。
もちろんデメリットもありますが、個人的な基準によるところが多く、「デメリットとはまでは言えない」という意見も多いようです。日常的に注意を払うことで、回避できることも多いといえるでしょう。
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