テレビアンテナの仕組みとは?受信電波の強さや画面に映る流れを解説
2022.10.29
テレビの知識
放送局から送信された映像は、家庭のテレビにどのように届くのでしょうか?
空中に発信された電波が家庭のテレビに映し出される仕組みを不思議に思う人は多いでしょう。
この記事では、テレビアンテナが電波を受信する仕組みを、専門知識がない人でもわかりやすくシンプルに解説しています。
テレビアンテナの電波受信の仕組みが気になる人は、ぜひ読んでみてください。ちょっとした雑学を手に入れられますよ。
テレビアンテナの電波受信の仕組み
空中を走る電波には、地上波テレビの他に、携帯電話、タクシー無線、衛星放送、ラジオ放送などさまざまです。
使える電波はそれぞれに割り振られ、限られた周波数の中で利用しています。
それではテレビカメラで撮影された映像が、各家庭のテレビに映る仕組みはどのようなものなのでしょうか?
放送局から電波が各家庭のテレビまで送信される仕組みを解説します。
1:放送局から電波を送信
テレビカメラで撮影された音声や映像は、プリズムを通して光の三原色といわれる赤・緑・青に分解され、電気信号が作られます。
この電気信号は、このままでは電波の波が弱すぎて送信できません。そのため、変調(※)という処理をして、高周波の電波を発信します。
※変調…振り幅・周波数・パルスや位相を信号波で変化させること
変調された高周波電流で磁界を発生させる電磁誘導という方法で、磁界と電流を作り続けて空間を伝わっていきます。
2:送信アンテナから各地へ
放送局から送信された電波は、東京タワーや名古屋テレビ塔、通天閣などの送信局から、全国各地の中継局へ送信されます。
送信局や中継局は、各地域の山や鉄塔など高いところに設置されています。
3:各家庭のテレビアンテナで受信
中継所から送られた電波をテレビアンテナが受信します。
受信された電波は分解されているので、再び元の映像に戻さなくてはいけません。
テレビに繋がってから、画面の水平方向に走る走査線という線に沿って、分解された電波を走らせます。
テレビ画面の走査線を、1/30秒の速さで電波が下から上まで走ることで、パラパラ漫画の要領で画面に動く映像が映し出されるのです。
走査線の数はアナログテレビで525本、ハイビジョンで1125本と約2倍の差があり、ハイビジョンの方がより細かい映像を映せます。
地デジよりハイビジョンの映像の方がきれいなのは、この走査線の数の違いによるものなのです。
テレビアンテナの電波の強さ
テレビアンテナの電波の強さは、地域や障害物の有無により違います。
それぞれ詳しく解説します。
受信地域
家庭のテレビアンテナに届く電波の強さのことを電界強度といいます。
電波強度が60dBを下回る地域は電波が弱く、一般の電波の受信が難しくなります。
60dB以上で受信できる地域を中電界地域、80dB以上で受信できる強電界地域と呼びます。
放送エリアの目安はこちらから確認できます。
一般社団法人 放送サービス高度化推進協会
障害物
60dB以上で受信できる地域であっても、下記の原因で電波が弱くなることがあります。
- 電波を遮る建物や樹木
- アマチュア無線、飛行機やヘリコプターの通信電波などの他の強い電波の発信源
- 電波を吸収する大雨や大雪
近くにこのような障害があれば、テレビの電波が弱くなる可能性があります。
地デジアンテナとパラボラアンテナの仕組みの違い
テレビ用のアンテナには、地デジアンテナとパラボラアンテナの2種類があります。
地上波を視聴するには地デジアンテナ、衛星放送を視聴するにはパラボラアンテナが必要です。
地デジアンテナとパラボラアンテナの仕組みの違いを解説します。
地デジアンテナ
地デジアンテナは、地上波デジタル放送受信のためのアンテナで、地上波の各局の放送やFM無線などを受信します。
ほとんどの地デジアンテナは、八木式アンテナと呼ばれる魚の骨のようなアンテナで、水平方向の電波のみを拾います。
そのため、電波を送っている放送局に向けて合わせないと受信できません、骨の部分である素子が多いほど受信性能が上がります。
最近は箱型で壁面に設置できるデザインアンテナという地デジ用アンテナも販売されています。
関連記事:
デザインアンテナとは?事前に知っておきたいメリット・デメリットをご紹介
パラボラアンテナ
パラボラアンテナはBSやCSなどの衛星放送を受信するアンテナで、水平と垂直方向の弱い電波を拾います。
赤道上空36,000kmの人工衛星から送信される電波は非常に弱いため、大きなお皿の部分で電波を集め、真ん中のコンバーターという受信機に送って強い電波にします。
弱い電波をしっかりと集める必要があるため、パラボラアンテナの方向調整は難しく、電波が発生している方向に的確に向けなければ受信できません。
衛星放送は、地上の放送局から人工衛星に向けて電波を送り、人工衛星から直接各家庭のパラボラアンテナで受信しています。
まとめ
今回は、テレビアンテナの電波受信の仕組みを解説しました。
テレビアンテナで電波を受信する流れは、以下のとおりです。
- 放送局から電波を送信
- 送信アンテナから各地へ
- 各家庭のアンテナで受信
放送局からの電波は電気信号に分解され、各家庭のテレビが受信してから元の映像に戻します。
電波の強さは地域によるものと障害物によるもので違いがあります。
アンテナの設置や調整に資格は必要ないため、自分でもできます。
アンテナの設置手順については、こちらの記事で詳しく紹介していますので、よかったらご覧ください。
関連記事:https://sakura-antenna.com/wordpress/column/self/
ただし、電波の調整は非常に難しく、特にアンテナが高所にある場合は作業に危険を伴います。
さくらアンテナでは、アンテナに関するお悩みを年中無休で受付しております。アンテナトラブルでお困りの際はいつでもご相談ください。
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