アンテナの利得って何?設置済みのアンテナの利得を調べるにはどうする?
2021.02.03
アンテナ工事
アンテナを新しくつけたり、取り替えようとしたりするときにアンテナを調べてみると、いろいろと用語が出てきます。そのうちのひとつが「利得」です。
普通に生活していたら見慣れない言葉ですし、聞き慣れない用語ですが、アンテナの性能を知る上でとても重要な用語ですので、ぜひこの機会に覚えておきましょう。
利得とはアンテナの性能を表す指標。高ければ高いほど性能が良い
利得とはアンテナの性能を表す指標のひとつで、「りとく」と読みます。
分かりやすく言えば、特定の方向からの電波の受信しやすさを表した数値です。
利得の単位はdB(デシベル)で表します。デシベルとは比率の単位であり、基準となるアンテナを0として、その比率で表します。
例えば、あるアンテナの利得が0デシベルであれば、基準となるアンテナと同じだということです。
もちろんこの数値が、2とか3とか100などといったように、高ければ高いほど性能が良いことを表します。つまり電波を受信しやすいということなのです。
ただし注意して欲しいのが、デシベルは常用対数の計算式で求められるので、次のように表されます。
- 3dB…基準アンテナの2倍
- 6dB…基準アンテナの4倍
- 20dB…基準アンテナの100倍
2dBが2倍ではないので、間違えて覚えないようにしましょう。
利得が大きいだけではなく、重要なのは地域に合った性能を選ぶこと
利得を理解するためにもう少し詳しく解説をします。
一般的にアンテナには指向性アンテナと無指向性アンテナがあります。この違いは、受信できる電波の方向です。
①無指向性アンテナ
無指向性アンテナとは、方向性がないという意味で、どの方向からの電波も受信できるアンテナです。そのため設置する際には、角度や設置場所で困ることはほとんどありません。
便利のように思えますが、受信する電波はそれほど強くないという特徴もあります。また、必要のない様々な電波を受信してしまうという難点もあります。
分かりやすい例で言えば、ラジオのアンテナです。ラジオのアンテナにはこの無指向性アンテナが使われることがほとんどです。
ラジオを聞いていると、他の電波をキャッチしたりしますが、それは無指向性アンテナが使われているからなのです。
②指向性アンテナ
一方の指向性アンテナは、一定の方向でのみ電波を受信できるようになっているアンテナです。そのため必要な電波だけをキャッチできるようになっています。
テレビ用の電波を受信するために使用するのは、この指向性アンテナがほとんどです。
利得の話に戻すと、利得の数値が大きい方が受信に関する性能が高くなりますが、デメリットもあります。それはこの指向性と大きく関係しているからです。
指向性と利得は相対関係にあり、利得が高ければ指向性も高くなります。つまり高性能のアンテナは、それだけ設置する位置や角度などが厳密になっていくのです。
設置の際に難易度が高くなることに加えて、強風にあおられた、鳥がとまったといったちょっとしたことでアンテナがずれてしまうと、すぐにテレビが見られなくなってしまうのです。
ですからアンテナは、利得が高いというだけで選んではいけません。その地域、場所に合ったアンテナを購入する必要があるのです。ご自身で判断がつかない場合は、アンテナ工事の専門業者に依頼するといいでしょう。
ちなみに一般的な八木式アンテナの場合、エレメント(素子)と呼ばれる横棒の数が多くなると利得は大きくなり、同時に指向性は高くなります。
少し話はそれますが、実はこのアンテナを見ることでその地域のおおよその電波の強さを判断することがあります。
電波の弱い地域では、エレメントの数が20〜26素子のアンテナが必要なケースもあり、屋根の上にエレメントの数が多いアンテナが並んでいる場合は、その地域に届いている電波はそれほど強くないと判断できます。
反対に、エレメントの数が4〜8程度のアンテナが多かったり、デザインアンテナが多かったりする地域では届いている電波は強いと判断できるのです。
ご自分の住宅や地域のアンテナを見る際にでも、ぜひ参考にしてください。
アンテナの利得を調べたい場合は取扱説明書やホームページへ
説明をここまで読むと、「自分の家についているアンテナの利得ってどのくらいなのだろう?」という疑問が湧いてきたかも知れません。
自分の家についているアンテナの利得を調べる方法として最も確実なのは、アンテナの説明書やカタログを見ることです。必ず利得が記載されているので、すぐに分かるはずです。
もしアンテナの説明書やカタログがない場合は、型番を調べましょう。
ほとんどのアンテナメーカーではホームページで商品の紹介をしています。利得についても記載されていますので、調べるとすぐに見つけられるはずです。
また型番が分からない場合は、設置した業者や建築会社に問い合わせる方法もあります。資料が残っていれば、教えてくれるはずです。
まとめ
普段はなかなか耳にしないアンテナの利得という言葉ですが、快適にテレビを観る上で大切な指標だということが分かったのではないでしょうか。
記事の中で解説しましたが、利得の高いアンテナほど設置が難しくなります。利得の高いアンテナが優れているのではなく、その地域に合ったアンテナを選ぶことも覚えておきましょう。
万が一、アンテナの取り付けや交換などでプロの力が必要になったら、ぜひさくらアンテナにご相談ください。
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