強電界地域と弱電界地域でのアンテナの選び方
2022.04.15
アンテナ工事
テレビアンテナとひとくくりに言いますが、実は細かな違いがあります。特に一般の人が見て気づかないのが性能による違いです。
そこで今回のコラムでは、地域に届く電波の違いによって異なるアンテナの選び方について解説していきます。
届く電波の強さは地域によって異なる?
地上デジタル放送の電波は電波塔などから発信され、それぞれの自宅に設置されたテレビアンテナで受信しています。この電波は、電波塔からの距離や間に障害物があるなどで強さが異なります。そこで、一般的に電波の届く強さを次の3つの地域に分けて考えています。
- 強電界地域…届く電波の強さが強い地域
- 中電界地域…届く電波の強さが、強電界地域と弱電界地域の真ん中に位置する地域
- 弱電界地域…届く電波の強さが弱い地域
このように地域によって電波の強さが異なりますので、それに合わせた性能を持つアンテナを取り付ける必要があります。そのため、お住まいの住宅がある地域がどこに当てはまるのか、正しく把握することが正しいアンテナ選びのスタートとなります。
電波の強さを調べるにはワンセグ機器の活用も有効
自宅近くにある電波塔の位置を調べる一般的な方法は、「一般社団法人放送サービス高度化推進協会」で確認することです。住所などで検索すると、電波塔の位置を示した地図が表示されます。
ただしこの地図では障害物の有無が確認できないため、電波の強さが正しく分かりません。そこで試して欲しいのが、家の中でワンセグを用いて調べる方法です。携帯電話やポータブルテレビなどでワンセグテレビがどのように受信できるかで、おおよその電波状況が分かります。
- 家のどこでもワンセグテレビが視聴できた→強電界地域
- 限られた場所でワンセグテレビが視聴できた→中電界地域
- 家のどこでもワンセグテレビは視聴できなかった→弱電界地域
また近隣の家のアンテナを確認することでも、お住まいの地域の電波レベルを推測することができます。それはアンテナの素子(別名エレメント)の数がある程度、揃っているからです。
素子というのは、八木式アンテナの鉄の棒の部分です。八木式アンテナは魚の骨の形に似ていると言われますが、この形を作っているのが素子です。素子の数が多い方が性能は高く、電波の弱い地域に適しています。そのため、地域ごとに適している素子の数は一般的に下記のようになっています。
- 強電界地域…4~8素子
- 中電界地域…14~20素子
- 弱電界地域…20~30素子
つまり近隣の家のアンテナの素子を数えて、4~8本のアンテナが多い場合は強電界地域、14~20本の素子が多い場合は中電界地域、20~30本のアンテナが多い場合は弱電界地域と推測することができるのです。
このようにお住まいの地域の電波レベルを確認することで、適切なアンテナを選ぶことができます。
地域に届く電波レベルによって異なるアンテナの選び方
お住まいの地域にどのくらいの電波が届いているのか確認する方法を解説しましたが、それを踏まえてアンテナの選び方を紹介していきます。
地上デジタル放送を受信するアンテナには、八木式アンテナとボックス型アンテナ、室内アンテナの3つありますので、それぞれに見ていきましょう。
八木式アンテナの選び方
八木式アンテナは、前述したように主に素子の本数で受信性能が異なります。そのため下記の素子数に合わせてアンテナを選ぶようにしましょう。
- 強電界地域…4~8素子
- 中電界地域…14~20素子
- 弱電界地域…20~30素子
強電界地域であれば、素子の本数が少なくても構いませんが、弱電界地域であれば高い受信性能を持つ弱電界地域用のアンテナを選びましょう。
ボックス型アンテナの選び方
ボックス型アンテナは箱型の形状をしたアンテナで、メーカーによって「デザインアンテナ」「平面アンテナ」「薄型アンテナ」などと呼び方が異なります。このほかには、「箱型アンテナ」「フラットアンテナ」とも呼ばれます。
通常、ボックス型アンテナは、アンテナの主要構造である「導波器」「放射器」「反射器」が箱の中にしまわれています。そのため受信制度は高くなく、強電界地域で設置されるのが一般的です。
しかしここ数年、各メーカーが中電界地域や弱電界地域向けのボックス型アンテナも開発しています。強電界地域であれば大抵の商品は対応していますが、中電界地域や弱電界地域の場合は商品のパッケージに「中・弱電界地域用」と表示されているものを選びましょう。
ただし地域によっては、ボックス型アンテナで電波を受信できないこともあります。アンテナ工事の専門会社などに確認しながら選ぶようにしましょう。
室内アンテナの選び方
現在、市販されている室内アンテナはほとんどが強電界地域用です。ただし、室内アンテナの置く位置などによって電波の受信レベルが異なります。電波塔が見える窓の近くなど、設置できる場所は限定されることを加味して、アンテナを選ぶようにしましょう。
また、中電界地域や弱電界地域の住宅であれば、適合する室内アンテナは市販されていないと考えるのが通常です。八木式アンテナかボックス型アンテナから選ぶようにしましょう。
まとめ
地上デジタル放送を受信できるアンテナには、主に八木式アンテナ、ボックス型アンテナ、室内アンテナの3つがあります。今回は、電波の届く強さによって異なるアンテナの選び方を解説しました。まずはご自宅にどのくらいの電波が届いているのかを確認し、それに合わせてアンテナを選ぶようにしましょう。
もちろん弊社では、レベルチェッカーなどの専用機器を用いて適切にアンテナレベルを測り、それに合わせたアンテナを提案させていただきます。不明な点、わからない点などがありましたら、ご相談に応じますので、お気軽にお問い合わせください。
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