【BS放送・CS放送】衛星放送の種類の違いを詳しく解説!
2023.02.02
アンテナ工事
『BSもCSも、どっちも同じ衛星放送じゃないのかな?』
テレビアンテナの設置は、一般的に地デジ対応タイプから始まり、要望に応じてBSやCSが視聴できるパラボラアンテナが設置されています。
ですが、多くの人は無料のBS放送しか知らず、他の選択肢についてはあまり知らないようです。
衛星放送に興味がある方でも、どのようなサービスがあるのかご存知ない方も多いのではないでしょうか。
近年は4K8K衛星放送なども開始され、エンターテイメントとして強く期待されており、多くの人が関心を寄せています。
今回は、そんな衛星放送について、BSやCSなどの種類の違い、また4K8K衛星放送などについて解説させていただきます。
衛星放送について
衛星放送とは、宇宙空間を漂う人工衛星から地上へ向けて送信されるテレビ放送の事です。
詳しく説明すると、衛星放送は赤道上空35,786kmの宇宙空間を周回する静止衛星を使って、テレビやラジオなどの電波を地上に配信するサービスのことを意味しています。
衛星放送に使われる静止衛星は、宇宙の一点に留まっているわけではなく、実際には地球の自転周期に対応したカーブを描きながら公転しています。
しかし、地球の自転周期と同じ速度、同じ方向で地球の周りを回っているため、地球から見ると24時間、朝も夜も空の一点に固定されているように見えるのです。
そのため、静止衛星と呼ばれ、その軌道は「静止軌道」と呼ばれています。
静止衛星は宇宙に向かって打ち上げられますが、地球上の広い範囲にテレビ信号を放送するための中継器(トランスポンダ)を搭載しています。
このテレビ信号(放送信号)は、地上からアップリンクという方法で衛星に送信されますが、その際、36,000kmの旅をして電力を失います。
そして、弱くなった電波は衛星の中で強められ、ダウンリンクで地球に再送信されるため、地上の小さなパラボラアンテナでも受信ができて、一般家庭にも届くのです。
衛星放送の特長は、地形などに関係なく、広い範囲に大量の情報を発信できることです。
日本への放送衛星の場合、日本列島を中心に、常に地球半球のほぼ全域を特定の方位から見ることができます。
そのため、地上デジタル放送では日本全国に複数の中継塔を設置してテレビ信号を配信する必要がありますが、衛星放送は静止衛星1基でほぼ全国に効率よくテレビ信号を配信することができます。
さらに、山や高層ビルなどの地表(ハザード)や、陸上での現象に影響されず、安定して番組を配信できるというメリットもあります。
BS放送とCS放送の違い
日本の衛星放送は、一般に BS(放送衛星)と CS(通信衛星)の 2 種類に分けられます。
こちらでは、それぞれの違いについて解説いたします。
BS放送
衛星放送の代表的なものであるBS放送は、衛星放送のために特別に作られた衛星を使って送信されています。
こちらの名前は衛星の頭文字からきており、「Broadcasting Satellite(放送衛星)」から付けられています。現在、放送衛星は、東経110度の地点に打ち上げられたものが使用されています。
BS放送は、各国の「放送衛星運用」のために特別に作られた周波数を利用しており、国際電気通信連合(ITU)が国際計画を策定し、参加各国が物理的に利用可能なチャンネル数を決めて、衛星軌道位置と周波数を分配しています。
そのため、衛星を打ち上げる際に他国と協力する必要がない傾向にあります。
しかし、国際計画を変更する必要があるため、割り当てられた周波数を増やすことは困難です。
CS放送
放送専用ではなく、無線通信を展開するために作られた人工衛星を利用することで、CS放送が確立されました。
『CS放送』の呼び名は、衛星の呼称が「Communications Satellite(通信衛星)」であることに由来しています。
CS放送は、BS放送のような国際的な「放送衛星運用」に特化した周波数とは異なる周波数を使用し、衛星の軌道位置や周波数は先着順で割り当てられます。
そのため、衛星を打ち上げる際には、軌道位置や周波数を各国と同期させる必要があり、使用する周波数や出力に一定の規制がかかることがあります。ですが、BS放送に比べれば、周波数割り当ての強化が容易な面もあります。
現在、CS放送のほぼすべての番組が「スカパー!」で提供されています。
例えば、映画やドラマ、アニメに音楽、海外ドラマなどさまざまな専門チャンネルが充実しています。
お好きなチャンネルを1つだけ、あるいは様々なチャンネルを組み合わせたお得なセットまで、お好みに合わせてお選びいただけます。
また、現在「スカパー!」は以下の二つのサービスに分かれています
・110度CS放送(スカパー!)
東経110度に設置された衛星からの電波を受信するCS放送と呼ばれるテレビ放送です。
「BS/110度CS対応パラボラアンテナ」の設置により、BS放送と一緒に受信する事ができます。
・東経124度・128度CSデジタル放送(スカパー!プレミアムサービス)
「スカパー!プレミアムサービス」は、「スカパー!」と同じようなサービスですが、チャンネル数なども多く、また高画質なチャンネルも多いです。
また、異なる点として、BSや110°CSからではなく、東経約124°と128°を周回する衛星からテレビ電波を発信しています。
そのため、BS・CSの標準アンテナとは別に、専用のアンテナ・受信機をご用意いただく必要があります。
4K8K衛星放送とは?
最近よく目にする「4K」「8K」が含まれる放送とはどういったものでしょうか?
2018年(平成30年)12月に「新4K8K衛星放送」は開始されました。
これは、既にある「BS放送」「CS放送」と区別するものではなく、BS放送とCS放送にそれぞれ4K・8K対応チャンネルが増強された形になります。
現在、家電量販店の棚に当たり前のように並んでいる「4Kテレビ」「8Kテレビ」の利用により、視聴者は従来の2Kフルハイビジョン(FHD)放送よりも高精細で画質・音質が著しく優れたテレビ番組を鑑賞することができるようになりました。
4K8K衛星放送は、一部の4KBSチャンネル(無料放送)は、4Kテレビを接続すれば、通常のBS/110度CS衛星放送受信アンテナで視聴可能です。
一方、それ以外の4K8Kチャンネルを視聴するには、BS/CSアンテナ、ブースター、分配器などの関連機器を4K8K対応にする必要があります。
・4K放送について詳しくはこちら
4K8K対応アンテナ設置の際に気を付けたいポイントと、対応アンテナを紹介
まとめ
今回は、衛星放送の種類の違いについて基本的な解説をさせていただきました。
BS放送・CS放送など、今は多くのコンテンツが存在し、色々なエンターテインメントに簡単に触れることが可能になりました。
皆様も、自分の好きなものや興味のあるものを、より深く楽しむために衛星放送を視聴してみてはいかがですか?
さくらアンテナでは「BS/110度CSアンテナの新規設置」なども、無料でお見積り・現場調査をさせていただいております。
ぜひお気軽にお問い合わせください!
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