【あんまり知らない?】「B-CASカード」の基礎知識とトラブル対策
2023.05.25
テレビの知識
現在、テレビ本体やブルーレイ・HDDレコーダーなどの機器を購入すると、通常、「B-CASカード」と呼ばれるICカードが同梱されています。
このカードを使用することで、地上デジタル放送や衛星放送(BS/CS放送)を視聴することができます。
購入したテレビなどの本体をセットアップした後、B-CASカードを本体の挿入口に挿入することで、初めて地デジや衛星放送のテレビ番組を楽しむことができます。
今回は、意外にあまり知らない「B-CASカード」について詳しく解説させていただきます!
B-CASカードとは?種類もご紹介
B-CASカードとは、現在のテレビやブルーレイレコーダーなど、地デジや衛星放送(BS/CS放送)の電波を受信し、視聴するためのICカードです。
このカードは、多くのデジタル放送受信機に同梱されており、テレビなどの機器には、台紙に貼り付けられた状態で提供されています。
家庭で使用される機器に同梱されるB-CASカードは、一般的に以下の3種類があります。
- 【赤色のB-CASカード】:BSデジタル放送専用/BSデジタル・地上デジタル放送対応/BS・110度CS・地上デジタル対応
- 【青色のB-CASカード】:地上デジタル放送専用
- 【オレンジ色のB-CASカード】:ケーブルテレビ(CATV)専用
さらに、小型テレビやフルセグ受信可能なカーナビシステムに内蔵されたSIMカード状の「小型B-CASカード(ミニカード)」や、浴室用の防水テレビなど、ICカードの着脱が難しい機器用の「特別内蔵用B-CASカード」なども存在します。
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B-CASカードにはどんな役割がある?
B-CASカードの目的は、地デジ放送やBS/CSデジタル放送の番組を保護するためだけでなく、有料放送や自動表示メッセージ、データ放送の双方向サービスなど、さまざまな放送サービスで利用されるカードです。
B-CASカードは現在、地デジ放送の機器で広く使われていますが、実は地デジ放送が開始される前から、BSやCSのデジタル放送ではB-CASカードが使用されていました。
BS/CS放送では、地デジよりも早くデジタル放送による高画質化が実現しており、また有料チャンネルも多いため、視聴や録画回数を制限する必要がありました。
しかし、2003年にフルハイビジョン画質の地デジ放送が始まり、地上波のテレビ放送もデジタル化され高画質化しました。
さらに、ブルーレイやHDDレコーダーなど、画質が劣化しないデジタル録画機器が普及したため、地デジ放送のテレビ番組でも著作権保護が重要な問題となりました。
そのため、地デジ放送に対応する機器にはB-CASカードが採用され、録画回数の制限(「コピー10」など)が導入されるようになったのです。
B-CASカードの重要事項・注意点など
B-CASカードは、購入したテレビなどに同梱されており、デジタル放送の視聴に使用しますが、所有権は株式会社B-CAS社に帰属します。
つまり、お客様はカードを貸与されている立場で、所有者はB-CAS社なのです。
テレビなどの機器に同梱されたB-CASカードは、台紙に貼り付けられ、包装(シュリンク)されています。この包装には、B-CASカードの所有権がB-CAS社にあることなどが書かれた「使用許諾契約約款」が記載されています。お客様がこのシュリンクを破ると、B-CASカードの使用に同意したとみなされます。
つまり、テレビなどに同梱されるB-CASカードはB-CAS社の所有物であり、お客様はシュリンクを破ることで契約に同意し、カードを借り受けることになります。
契約内容は、主にB-CASカードの不正使用、改ざん、転売などを禁止しており、通常のテレビ放送視聴に限定すれば、基本的には無償で無期限に使用することができます。
ただし、B-CASカードは名義上はB-CAS社から借りているものですので、お客様が勝手に第三者に譲渡したり転売したりすることはできません。これに違反すると刑法に触れる可能性があるため、ご注意ください。
4K8K対応機器はB-CASカードじゃない?
日本のテレビ放送で4K8K放送「新4K8K衛星放送」が始まっています。
4K8Kは、従来のフルハイビジョン(FHD・2K)の画質から4Kは4倍、8Kは16倍の高精細画質になり、色彩や映像の細かさ、音声の品質も大幅に向上し、よりリアルで鮮明な映像と大画面を楽しむことができるテレビ放送や映像、そしてそれに対応するテレビ機器のことです。
現在、4K8K映像に対応しているのは、新4K8K衛星放送の一部チャンネルであり、地デジ放送は対応していません。
この4K8K放送の開始により、大画面テレビのほとんどが4Kまたは8Kテレビになっています。
そして現在、販売されている4K・8Kテレビの多くには、B-CASカードが同梱されていません。
これは、テレビなどの4K8K放送受信機器で、新たなCAS方式である「ACAS」が採用されたためです。
ACAS対応の機器には、製造時にB-CASカードと同じ役割を果たす「ACASチップ」が内蔵されており、カードの挿入は不要になっています。
ACASチップは、4K8Kテレビ放送だけでなく、地デジなどのB-CAS方式が使用されているテレビ放送にも対応しています。
また、ACASチップとB-CASスロットの両方を備えた4K8K受信機器も販売されています。
・4K8Kについて詳しくはこちら
4K8K対応アンテナ設置の際に気を付けたいポイントと、対応アンテナを紹介
まとめ
地デジへの切り替えに伴い、B-CASカードの普及が進みましたが、最近では新しいシステムが導入され、B-CASカードを使用しない受信機器も増えています。
これは、カードの問題や不調によるトラブル、処分の手間、不正改造の懸念などからです。
ただし、一般の家庭ではまだまだB-CASカードを使用するテレビやレコーダーなどが多く普及しています。
そのため、地デジや衛星放送を視聴する際には、B-CASカードの基礎知識を理解しておくことが重要です!
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